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「フランケンシュタイン」(メアリー・シェリー)

 久しぶりに「フランケンシュタイン」(著:メアリー・シェリー)を読んでみた。

 若い自然科学者であるヴィクター・フランケンシュタインが、死体から人間を造ってしまったものの、あまりのおぞましさに、自分が作った人間を見捨ててしまうが、周囲の人たちが次々に殺されてしまうという話。とても有名な小説だが、読んだことの無い人は結構いるだろうと思う。
 この小説は、怪物を主体にした映画のインパクトが強すぎて、ホラー小説と思っている人も多いかも知れないが、とても切ない物語である。(似たようなシチュエーションに、「リング」(著:鈴木光司)がある。これも映画の「貞子」のインパクトが強すぎて、悲運の美女・山村貞子の悲しい物語はあまり知られない。)
 怪物は、自分が「造られたもの」であることを知らない。とても理性的で、心優しい人物に描かれている。自分の「醜さ」ゆえに、フランスの盲目の老人の家の納屋に潜んで、家族のことを見守る。貧乏な家族のために、森で薪をとってきたりするが、家族は気づかない。隠れて家族のことを見ているだけで幸せな生活。盲目の老人には心を開くが、家族に見つかって袋叩きにされてしまう。
 その後、創造者であるフランケンシュタインを恨んで、殺人者となってしまうのだが。

 小説自体は、19世紀のはじめに書かれたものなのだが、現代の人間関係に共通するものがある、と思うのは私だけだろうか。

 生まれつき凶暴な人間なんていない。環境が人を狂わせてしまうのだろう。■

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